歴史スポットレビュー

日本の歴史スポットのレビューを紹介しています。家族のお出かけにもデートにも。歴史は刺激いっぱい、学ぶことも沢山あります。

神奈川県

旧海軍の栄光を伝える場所

投稿日:

私の好きな歴史に関するスポットは記念艦 戦艦三笠が留め置かれている三笠公園です。

戦艦三笠は日露戦争時に起きた日本海海戦時に連合艦隊司令長官の東郷平八郎が乗座していた日本海軍側の旗艦で、ロシアのバルチック艦隊を完膚なきまでに打ち破り制海権を維持することによって日露戦争の講和へと導いた功労艦です。

その後 退役後に記念艦へと指定され、海軍の街であった横須賀市に舳先を皇居に向けて留め置かれました。

しかし、その後の太平洋戦争で日本は敗戦し戦艦三笠も構造物が撤去されて、米軍向けに「キャバレー・トーゴ―」として使われるなど荒廃を極めるようになってしまいました。
それを知った米海軍元帥であるチェスター・ニミッツは尊敬する東郷平八郎の艦の現状に嘆き著書の売り上げを復元費用に充てる等、保存運動の盛り上がりにより記念艦としての保存が決まりました。
米軍により撤去されていた備品は完全な形で返還され、他にも足りない部品を同時期に同じイギリスで建造されたチリ海軍の戦艦から寄贈を受ける等して復元に至りました。

こういう経緯が有るので、マストや煙突・主砲などの上部構造物は戦後にレプリカになっていますが露天艦橋も復元されており、海戦時に東郷平八郎や幕僚達が立って指揮をしていた場所にはプレートが設置されて示されていました。艦内の大部分は日露戦争当時の資料館や上映施設となっているので現役当時の面影は非常に薄いです。しかし、艦体そのものは本物であり上甲板のチーク材の一部にも現役当時の物が残っています。他にも日本海海戦時に僚艦からバルチック艦隊発見の一報を受診した電信室や、長官公室が復元されていて様々な調度品や東郷平八郎が軍令部に着任していた時に使用していた机が置かれています。また、中央には大きなテーブルが置かれていて海戦に向けて様々な会議が繰り広げられていたと思うと胸が熱くなります。

現在残っている旧海軍の兵器や施設の多くは太平洋戦争の惨禍を伝える物が殆どですが、三笠は旧日本海軍の栄光を今に伝える数少ない施設です。是非とも歴史好きの方には本物に触れて頂きたいと思います。

スポンサーリンク



-神奈川県

Copyright© 歴史スポットレビュー , 2024 All Rights Reserved.