薬師寺の口コミ・感想です。
1000年建ち続ける塔
満足度 | |
ニックネーム | さばまめ |
レビュースポットの場所 | 奈良県奈良市 |
世界遺産の薬師寺は今、有名な創建当時より現存する東塔の修復作業が行われています。平成32年がお披露目になるそうです。1000年後に同じ高さになるよう宮大工の棟梁が考えて建てたという西塔のお話もとても有名です。南都の七大寺の一つとして建立されて今なお多くの人が訪れている薬師寺ですが、一時は衰退期もあったようです。今は音楽のコンサートが境内で開かれるなど様々なイベントも執り行われています。近くにはおかず味噌風奈良漬の赤い看板のお店も隣接しています。駅もちかいので便利です。 |
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薬師寺は、世界遺産としても有名な、奈良の文化遺産のひとつです。その薬師寺で行われる「天武忌」についてはご存知でしょうか。簡単に言えば「天武天皇の年忌」です。
薬師寺で行われる「天武忌」の内容
毎年の秋、10月8日、薬師寺では、この天武忌にお茶を振る舞う行事があるのです。場所は、西の塔の回廊。
特別に招待されるのは「写経」をあげた方に限定されますが、現地で「お茶券」を買うことで、どなたでも参加することができます。
まずはテーブルに並べられた椅子に座り、用意されていたお茶菓子を楽しんでいると、きれいな着物を着飾った「御運び」の方々が、一客ずつ、丁寧にお茶を振舞い始めます。
使われているお茶碗は、薬師寺近辺で焼かれている「赤膚焼」。大きさは両手で包み込めるほどで、どっしりとした重さを感じる白地のお茶碗です。
受け取る前には、静かに両手を合わせ、感謝の気持ちを込めて拝みます。
最初の一口を味わう瞬間、点てたばかりの甘い抹茶の風味がふわりと香り、いざ口をつけると、まろやかな泡立ちが口の中で弾け、程良い甘味が口いっぱいに広がって……。
茶道のお稽古の一環として、その「御運び」の立場でのご奉仕も体験してきました。
場内には2000人余りの招待客や参拝客の方々。
年代や性別には特にかたよりもなく、場の空気に見合った上品な雰囲気が漂っています。
御運びの人数は約30人ほど。こちらはおもに茶道の門下生が担当しています。
回廊の裏では、10人ほどの茶道の先生方が、一日中、忙しなく茶筅を振るい、こちらも出来上がったお茶を受け取っては運び、受け取っては運ぶ、なかなかの重労働でした。
最初は慣れない草履でつまづきそうになりながらも、何とか粗相のないよう、最後までお茶の「御運び」をこなすことができました。
途中で顔を合わせた親子連れの、その小さなお子様からの元気の良すぎる「いただきます!」と派手なパッチン(合掌の音)も印象的でした。
薬師寺には、他にも様々な名所や行事がありますが、今回は自らの印象強い体験談として、こちらの「天武忌」でのお茶会をご紹介いたしました。
今年の秋、ご予定がまだでしたら、是非いちど、いかがでしょうか?